今回は

・心が豊かになり幸せになれる

きっかけになる話を書きました。


では、始まり。

“お金がない”と”貧乏”は違う


「貧乏は嫌い」

男はそう言った。


男「俺は昔から貧乏だ」

男「夕飯に好きなものは食べられなかったし」

男「周りの友達に流行っていたゲームは俺だけ買えなかった」

男「学校の制服も毎回おさがりだ」


男「小さい頃から我慢ばっかりしてきた」


男「だから、俺は貧乏でいることが嫌いだ」

男「俺は絶対金持ちになる」


男は金持ちになると決めていた。

男は金銭面の関係で大学には行けなかったので、普通以上に努力する必要があった。

だが、男は諦めることなく努力した。


男は、成果を出せば出すほどお金を貰える仕事についた。


男「こっから逆転させてみるんだ」


男は必死に働いた。
起きるのは早朝、したくを20分で済ませ会社に向かう。
疲れやだるさを抑え、
定時まで全力で仕事をした。
しかし、男は定時で帰ることなく、残業も毎日した。
全力で仕事してからの残業だ。
相当体力を使うだろう。
もちろん、残業も全力だ。
会社を後にするのは24時以降、夜遅くまで仕事をしている。
男は必死に働いた。

男がこんなに頑張るのも全て


お金持ちになるため


男はどうしても貧乏から抜け出したかった。





そんな風に頑張っていると、男は次第に結果を出していった。

給料も少しずつ上がっていき、日本の平均年収を超えていき、ついにはお金持ちと言われる収入にまでなった。



男「やった、やったぞ!」

男「ついに!ついに俺は・・・!」

男「お金ー」



足がもつれる。

男のからだが傾く

男の体と床が勢いよく近づく



バタン!



男は倒れてしまった。
意識を失ってしまったようだ。


男は疲れが原因で倒れてしまった。


お金持ちになろうとあんなに働いていた男はいま病院のベッドの上にいる。
命に別状はないみたいだが


男「・・・」


男は放心状態になっていた。


退院までにそこまで時間はかからなかった。

しかし、仕事は少し休むことにした。


男「・・・」





ある日

男は公園に座っていた。



男「(俺、間違ってたのかな)」

男「(俺は貧乏がお似合いってことかな)」


男は気が抜けた目で公園の風景を見ていた。



???「どうした?青年」



男は声のする方に振り向いた。

そこには本に出てくる旅人みたいな人物がいた。
知らない人だ。


男は不審そうに返事をした。

男「どうも...」

旅人「何か元気がないな?」

男「ああ、ちょっと...色々ありまして」

旅人「ふむ...」


旅人「聞かせてくれないか?」


男はどうでもよかった。
怪しいとか、面倒だとか、何で話さなければいけないんだとか、そんなのは本当にどうでもよかった。
だから、言われたことに何も考えずに反射的に答えた。

男はこれまでのこと、自分の過去のことを旅人に話した。


旅人「ふむ、それは大変だったな」


旅人「君は貧乏が嫌なんだな」

男「はい」

旅人「そして必死に働いたら倒れてしまった、と」

男「・・・」



旅人「お金がなくたっていいじゃないか」

男「俺はお金がないせいで今までたくさん苦労してきました」

旅人「お金がなくとも幸せな人はいるぞ?」

男「そうかもしれない、だけど俺は幸せになれなかった」

旅人「お金があっても幸せになれるわけじゃないぞ」

男「でも今よりはマシになるかもしれません」

旅人「では、体が壊れるまでまた限界まで働くか?」

男「・・・」


男は涙ぐんだ。

男「どうすればいいんだよ・・・」

男はそう言葉をこぼした。

それは旅人に向けて言ったわけではなかった。


男「・・・」

旅人「・・・」



昼が終わろうとしていた。
夕日に変わる時間。



旅人「青年、私は貧乏に見えるか?」

男「お金があるようには見えないです」

旅人「はっはっ、そうか!」

旅人は笑った。

旅人「私は貧乏ではない!」

旅人は笑いながら言った。

男「(ああ、そうかよ)」

男はそう心の中で言った。



旅人「お金はないけどな」



男「え?」


旅人「今日の宿もまだ見つかっていない」


男「それって貧乏ってことなんじゃ?」


旅人「ふふ、青年」



旅人「貧乏とは心の有り様のことを言う」



旅人「お金がないことは貧乏とは言わん!」

旅人「ただ今はお金がないだけだ!」

旅人「貧乏とは心が貧しいことを言うのだ!」


旅人「はっはっはっ!」


旅人「青年ー!私は幸せだぁ!君に会えた!今日はそれでよしとしようじゃないか!」


旅人は男の前に立ち
夕日を背にして
両手を広げながら
そう言った。


男は衝撃を受けた。


男「・・・」


旅人の後ろの夕日が、男の顔を照らす



男の目には


光が戻っていた。



旅人は男の目の中の光に気づくと
ニッと笑った。


旅人「では、青年、私はそろそろ行くよ!」

旅人「今日の宿を探しになぁ!」

旅人「はっはっはっ」



旅人は男を背にしながらそこから去って行った。



男「・・・」


男「心の有り様、か」





それから男は変わった。
今までのようにお金に執着せず、お金にとらわれないで生きた。
お金ではなく、心の充実、心の有り様、幸せを求めて生きた。





そして、その後



男は無事、幸せになれた。



おしまい

終わりに


貧乏とは心の有り様のことを言うのです。

だから、お金を持っていても、心が貧乏だとそれは貧乏なのです。
そして、お金を持っていなくても、心が豊かなら、それは豊かといえます。


たまたま今はお金がないだけ、心は豊か、だから私は豊か。


では、この辺で。
カラクでした。